准教授 高野先生の恋人
お店に向かうまでの車の中、私たちはそれぞれにお正月の出来事を話した。
「実はね、高野家は大騒ぎだったよ」
「えっ?」
「君が僕の実家に遊びに来たりしていたら、きっと帰してもらえなかっただろうね」
「ええっ?」
遊びに行ったきり帰れなくなる状況っていったい???
幽閉!?軟禁!?
それともまさか、入院したら最後、絶対に退院してこられない病院と同じ、みたいな!?
私の頭に、とてもこわーい想像がもくもくもくと膨らんだ。
「君と電話で話しているのを見た姪と甥がね、勝手に家族中に言いふらしてさ」
「そ、それで?」
「うーん、それがさぁ…」
寛行さんは歯切れ悪く、とても言いづらそうに、困ったように曖昧に笑った。