准教授 高野先生の恋人

彼の手のひらが私の頬に柔らかに触れる。

彼と私は、羊男に山羊女。

キスの予感に照れた山羊が小さな声でひとつ鳴く。

「めぇ・・・」

そんな山羊にこたえるように、羊が楽しそうにふたつ鳴く。

「メェェ、メェェ」

心優しい羊さんは、ときどき狼の皮をかぶる遊び心を持っていた。

頬に触れる彼の手が、体の輪郭を撫でるように滑るように、肩に腕に降りてくる。

重なる手と手に鼓動は高鳴り、募る愛しさに胸がつまる。

互いの想いを重ねるように、唇を重ねあう私たち。

チョコレート味のキスは、まさしく甘美で官能的で、うっとりしびれる魅惑のお味。

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