恐怖 DUSTER
耳元でささやく女の声に、弥生の心は崩壊寸前であった。



女は、弥生の耳元で何度も恐怖の言葉を吐き続けている。



「弥生ちゃん、やっと上半身が形になってきたよ・・・」



「あと少しで、全身が形になる。・・・嬉しいな・・・」



「これで、いつでも弥生ちゃんと一緒でいられる・・・」



「弥生ちゃんが死ぬまで、一緒にいられるの・・・」



「嬉しいな・・・」



「弥生ちゃんは、何も見えない真っ暗な世界で生きていかなければならないけれど」




「わたしがいるから大丈夫・・・」




「ずっと一緒にいるから・・・」




「弥生ちゃんが、死ぬまでね・・・」





弥生は、恐怖のあまり意識を失いかけていた。




「弥生、ダメだよ!気をしっかり持って!早く女の名前を言い当てないと」





恵子が、意識を失い崩れ落ちそうな弥生を支えながら言った。





しかし麻美には、弥生の後ろにいる女の姿が、あとわずかで人の形として完成されてしまうと思えた。







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