恐怖 DUSTER
裕子と恵子の目に、信じられない光景が写った!


パシッー!



突然、麻美が弥生の頬を叩いたのである。



「弥生、早く名前を言って!」



しかし、頬を叩かれても弥生はなんの反応もしめさなかった。



パシッー!



麻美はまたしても弥生の頬を叩く!




「弥生、しっかりして!早く、早くあなたの名前を言って!」




そう叫ぶと、麻美は続けて弥生の頬を叩こうとした。



「ちょ、ちよっと待って麻美!」



裕子は、弥生を叩こうと振り上げられた麻美の手を止めた。



「いくらなんでも、叩くなんてひどいよ!」



恵子も涙目で、麻美に訴えた。



麻美は、裕子に止められた手を振りほどき、二人を睨みつける。



「じゃまをしないで!」



麻美は、二人に叫ぶと再び弥生の頬を何度も叩き始め叫んだ!




パシッー!



「弥生、早く!」



パシッー!



「早く名前を言ってー!」



パシッー!



「早く!早くー!」




「あ、麻美やめなさい!」




裕子が麻美を止めようとすると、麻美は涙を浮かべながら裕子に向かって叫んだ!




「早くしないと大変な事になるのよー!じゃまをしないでー!」




「た、大変な事ってなによ?」



裕子の問いに、麻美は無言のままである。



「大変な事ってなに?麻美、言って!」




麻美は、ためらいがちに小さな声で言った・・・





「・・・お、女の子が、弥生の体に溶け込んでるのよ・・・」




麻美の言葉に裕子と恵子は、弥生の身に最悪の事が起きているのだと理解した・・・





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