キュランゼム
第一章 ~始まりを告げる鐘~
 今から遥か昔、勇者と魔王の戦いがあった。

 魔王を討伐した勇者は、聖剣キュランゼムで残った魔物たちを魔王城跡地に封印した。

 その瞬間、聖剣は魔剣へと姿を変え、魔物を永遠に封印する。

 それから時間は流れ現代――

「さあ、さあ、今日は勇者様が魔王を倒したおめでたい日だよ!勇者祭の開催だよ!」

 町一番の大男が広場の中央で、勇者祭開催の合図である鐘を鳴らす。

 カーン カーン

 鐘の音は町中に響き渡り、町は一気に盛り上がった。

「今日から勇者祭か…と、同時にあれもあるんだよなぁ。はぁ…」

 少年はベッドから起き上がると深いため息をついた。

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