僕の姫~ちっぽけな勇気~
「あ…ありがとう!」


それから、僕たちは時間と場所を決めてから電話を切った。


やっぱり兄貴は優しい。


他人のことを先に考える。


僕よりもずっといい男…。




僕は携帯をポケットに入れてから教室に戻った。


まだ成績表返しが終わっていなくて、ざわざわしている教室。


僕が教室に入っても全然目立たない。


しかし、知世ちゃんたちにはすぐに見つかった。


「光輝!トイレ長い!!」


「う…うるさいなぁ。

電話してたんだから仕方ないでしょ?」


僕がそう言うと3人とも大きく目を見開いた。


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