ギブス
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‐社会科資料室‐


『…んん…っあ…っ』


その、口元から漏れた…短い喘ぎ声…

やっと…、解放された唇に…ため息が漏れた…


柚葉は、自分の頬を優しく撫でる…細く長めの指先に、自分の手を重ねた…


「…神城は…、いつの間に…そんなにキスをせがむよぅになったのかな…っ」


そぅ…、眼鏡の奥の…妖しい瞳が物語る…

‐この男は、危険なのだ…と…‐…

ソレでも…、惹かれて止まなかった…


『…先生の…、せぃだよ…』


微かに、その瞳に涙の粒を溜めながら言った柚葉…


「…そぅ…かもな…」


諒は、柚葉の小さな身体を…そっと抱き締めて…耳元に…“ごめんな…”と、呟いた…

柚葉は、涙がこぼれ落ちないよぅに、キツく…瞼を閉じ、諒の背中に手を回した…


『……っ』
【…さっき…、先生は言った…

自分たちの関係は…、

周りの誰にも言わないで欲しい…と…


当たり前のコトだ…

分かってる…



お互い…、バレたら…

先生は、教職を負われる…

あたしも…退学…



内緒にしなきゃ…

隠し続けなきゃ…



守らなければ…ならない…‐秘密‐…

彼の…過去の大罪も…


あたしの…胸の中だけの…‐秘密‐…】
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