ぼくの 妹 姫



重たい身体を引きずるように
警察署を出る




駐車場の車のドアに手をかけ



夜空を見上げた



どんどん欠けていく下限の月




暗闇を照らす青白い月光



月は いつも 空にある



暗い夜も 明るい真昼にも




夜空に腕を伸ばし


手のひらで月を隠した




空にある

あれは ぼくの罪

一生 永遠に消えない


いつも そこに ある



―――――ぼくの罪




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