ぼくの 妹 姫
家に帰ると
TVもつけっぱなしで
リビングのソファーで蕾が眠っていた
ぼくは そっとソファーの横にひざまずき
蕾の白い頬を指でそっと撫でた
この穏やかな眠りを
守るためならば
どんな重い十字架も背負おう
蕾の頬を撫でてると
ピクッと蕾の眉が動き
目が開いた
「……あれ?お兄ちゃん
蕾……………寝てた?」
ぼくは笑ってうなずき
ゆっくり起き上がった蕾に
「ほら、ちゃんとベッドで寝なさい」
蕾は まだ寝ぼけているのか
ぼんやり ぼくを見つめて
「蕾。今日もお兄ちゃんと寝る」
「え?」
「先に寝てるね」
蕾はそう言って ぼくの部屋へ入って行った