ぼくの 妹 姫
昨日といい
今日といい
………どうしたんだ?
すでに蕾が寝ているベッドに ゆっくり入ると
壁の方を向いてた蕾が振り返り
ぼくを じっと見つめた
「なんだよ、蕾」
「………何かあった?」
「え?」
「お兄ちゃん。すごく疲れた顔してるよ」
…………蕾
ぼくを気遣って
「何もないよ。大丈夫
疲れてないよ」
「う~ん」
蕾はぼくの目をのぞき込み
「お兄ちゃん、本当に大丈夫?」
大丈夫だよ、蕾
蕾が そばで笑ってくれたら
だってさ
ぼくの本当の罪は
親を殺した事なんかじゃない
ぼくは もっと深い罪を犯した
「お兄ちゃん
蕾は小さな頃から、お兄ちゃんとこうしてると安心するよ」
うん。ぼくも そうだよ
「嫌われ者の蕾に優しくしてくれるのはお兄ちゃんだけだった」
ねぇ、蕾
ぼくを許してくれるの?
「蕾にはお兄ちゃんだけだった
だから、うまく言えないけど
何かあるなら言ってね?」
キミを一度
裏切ったぼくを
許してくれる?