ぼくの 妹 姫
「お、お邪魔します」
上ずった声で呟いてから居間に入った宙に
「そんなこと言っても
誰もいないよ」
私は部屋にカバンを投げるように入れてから
居心地悪そうに居間の片隅に突っ立ってる宙に
「お茶とミルクティとコーラどれがいい?」
「あ、コーラで」
「了解。ソファーに座っていいよ」
そう言うと
「あ、うん」
鋭い目付きしてる怖い顔のクセにチョコンと小さくかしこまって宙はソファーに座った
「ど~ぞ」
コーラと台所にあった草加せんべいを袋のまま出したら
「……オバチャンみてぇ」
ドサッと宙の隣に座り
ガサガサッと
袋からせんべい一枚出して
ガリッと
せんべいをかじってから
「何よ。だったら、どんなお菓子なら女子中学生なわけ?」
「ん~……」
宙は考えるように上を見ながら
「イチゴのポッキーとか?」
「バカでしょ、宙」
間髪入れずに言ってやると
「アハハッ」て宙は笑って
バリバリせんべいを食べた