ぼくの 妹 姫
その日の夜は
いつまでも眠れなくて
ベッドの中
暗い天井をいつまでも見つめていた
私の
私の中のお兄ちゃんは
お勉強が出来てスポーツも出来て
お父さん、お母さん 親戚 近所の人たち
皆から愛されてて
太陽みたく眩しくて
私はお兄ちゃんの影を全て請け負う為の存在じゃないか
叔父の家に引き取られ そう思った時もあったけど
お兄ちゃんを恨んだり妬んだりは出来なかった
太陽は いつも 私に優しかった
唯一の存在だったから
―――――――カタン
部屋の外で物音がして
ベッドをスルッと抜け出して
そぉっと部屋の戸を開ける
暗いリビングにキッチンの白い電気の光が差し込んで
キッチンへ入ると
お兄ちゃんが水を飲んでた