カップルのおきて【修正中】

「せ…、先生……??」












『男』と『女』がこちらを見た。私を見て、すぐには分からなかったみたいだが、一瞬だけ昔の『先生』の目になった気がした。













「この子、だぁれ??まさか、翔太浮気してるのぉ??」









「違うよ。昔の…教え子だよ。」












『男』は懐かしむ目で私を見た。その目には、ただ懐かしさだけじゃなくて…、悲しみとかいろんなものが混じったような…、そんなかんじだった。











「ごめんな、今日は帰ってくれるか??埋め合わせはまた…な??」







「もぉ、仕方ないわね。教え子と浮気したりしないでよね??」












そう言って、『女』はまた『男』の唇に、今度は優しくｷｽをして、部屋から出ていった。












『先生』の視線が、私に突き刺さる。私も負けずに『先生』を見た。『男』に昔の先生をうかがわせるものは、一つもなかった。












しかし、私は見た。先生の後ろの小さな額のなかに、笑っている昔の私と先生がいるのを……。