海に花、空に指先、地に霞

「他人に言われるのは癪だから自分から言うけど。…まあ、オレは、適度に…遊んでる」

夕日に照らされて、凪世のシルエットが柔らかく赤く染まる。

多分、私も。

でも私は言葉を発することができないくらい、固まっていたから。

空気を変えようと、凪世がおどけるように言った。

「囲ってるつもりはないけどね。…嫌でしょ?そんな男は」

「…凪…」

「だから君も、義務だと思ってくれたら、いい。沙杏ちゃんの気持ちを……心まで縛ったりはしないよ」

「…や、やめて…!」

「でも…オレにしたら…君だけが、例外」

「…や、…やめてったら!…意味が分からない…!」

「……大事にするって言ってるの」

「…わ、分からないってば!」

さっきから。
< 113 / 164 >

この作品をシェア

pagetop