空の果て星の息吹

空の色は何色でしょうか?

僕らが学園に入り、描いた夢は、周回軌道上にある世界の技術を集めた、天空の城であり、地球を環境破壊から救う計画の要、国際宇宙ステーションエデンに行く事だった。


七夕に誓った約束の第一歩を果たす日が近づいていた

シンの実家で、涼子と僕をシン、戒音、ユイが祝ってくれた。


北見や俊英も誘ったのだが北見は相変わらずのペースで準備に忙しいからと断り、俊英は別に祝ってもらう日が重なったらしく、悔しそうにしていた。


エデン研修送迎の宴と題した宴会は終始和やかなムードで進んだ。


選抜トーナメントの時の話しや、授業の苦労話や、昔話を含めて、皆、笑って楽しかった。


会の途中でユイの姿が無いのに気付き、外を見ると、月夜の夜空を見上げているユイが居た。


月夜の白金色の光に照らされるユイの姿は綺麗で見とれる程だった。


僕はユイと話したくて外へ出た、ユイに声をかけるとユイは顔を手で拭いて振り向いた。


目が少し腫れていた。
多分、泣いていたのだろうことが予測された。


『ごめんね、楽しい席なのに、かってに出ちゃつて』

『いいよ・・・』 


『遠野くんには、私の分まで成層圏の外の世界を見てきてもらいたい、将来必ず行くために・・』


『うん・・メールを送るよ宇宙から、月夜野さん宛てに』


『地球の青さを見たら、みんな戦争なんて止めると思うんだ・・・アースブルーを見たかったけど、先におあづけだね』 


ユイはお手上げのジェスチャーをする。


『月夜野さんに話したいことがある・・僕はこれからエデンに迎うけど・・・幸福1号の様な残念な結果を見た後だから余計に思うんだけど・・もしシャトルが落ちたら・・伯母に僕の事を話してほしい・・宇宙にいくのは、僕の夢であり希望だったから・・』
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