空の果て星の息吹

空の彼方への切符

選抜試験は事実上のエデン行きのチケット選抜になっている。


ユイとシンで日々、シミュレータや訓練機を使い今回の内容を何度も考えた。


アタッカーは僕とシン。
ユイはディフェンダーとして指示だしを担務する。


プログラムも改良してより動きやすくなっている。


選抜試験当日――


訓練機体用練習プールに選抜試験メンバーが集う。


緊張したムードが漂う中、優勝候補と目されている田島嘉久のメンバーは余裕の表情を浮かべていた。
シンはこの田島が苦手であった。


初めの試合は、帰国子女の戒音・クーデンベルグ率いるチームで、美形の戒音と美咲涼(みさきりょう)のアタッカーコンビの動きを僕らは巨大なモニターでエントリー選手達と見ていた

水中に沈んでいく赤マーカーと白マーカーにペイントされたセイレーン。


底に着くと、しばらくして開始合図が聞こえる。

赤マーカーは戒音チームで試合開始早々にアタッカー2機は、素早く敵を捕捉し牽制をかける。


戒音の素早さを武器にした撹乱で相手チームを乱し、着実なコントロールで美咲がキーを探し、相手チームの端末に解除キーを押し込む。


戒音の素早い動きは敵を翻弄し、コントロールを乱すのだ。


息をつく暇を与えないですぐに試合は終了した。


ユイは試合の情報分析を戦術分析にかける、速度や的確な判断・・・


同じく戒音の試合を見ていた田島は、不敵に笑い、試合に向かった。


田島嘉久のチームは戒音チームとは違い、体格の良い線の太いチームの様だ。


戒音が柔らかな動きをするなら、田島は武骨に薙ぎ倒す様な動き。


田島は体格と似た豪快な動きで敵チームをなぎ倒し、自分達のへの解除キーを奪い、安全を確保し、相手への端末に入れる。


第二試合には相手チームのアタッカーは田島潰しに、2体1の形を作りながらも、阻まれて逆に潰された。

第三試合時にも、同じ作戦を取ったが田島の前では無駄だった。


シンは田島チームの勝利をモニターで見ながら、嫌悪感いっぱいの顔をする。


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