空の果て星の息吹
サイレンが鳴り響き、学園の中央管理操作室で操作したのか、防衛の一環で、防火扉やシャツターが一斉に閉まる。


『遠野くん・・・私はシャトルが破壊されるのは嫌・・・・絶対に・・何とかして・・・そうじゃないと私の・・・』


ユイは震えて涙ぐみながら精一杯伝える、その姿を見て軽く抱き締めて、震えを抑える。


『それは僕も同じだから・・・・やらせないよ・・・絶対に、だから・・・』


まだ震えるユイの身体を力を強く抱き締めた、温かさが伝わってくる。


『陸上装機が何機テロ側に墜ちたかわからないが・・・・』


考えながら・・・ユイのトーナメントの時の言葉を思い浮べた。


目には目を・・・陸上装機には・・・同じ装機の訓練用水中装機(セイレーン)を使うしかないと思う。


ユイを落ち着かせて、ゆっくり言葉を選んで話す。


『いい、、月夜野さん、僕はこれから、訓練用水中装機(セイレーン)を使ってテロの機体を足止めをする、どのくらい保つか解らない、でもテロ側が自衛隊の訓練した装機パイロットでなければ、相手も同じくらいの腕のはずだから、勝機は無くはない・・むしろ訓練してる分、僕に勝機がある』 


相手がもし、訓練している者なら――それは考えたく無かった。


『だから・・・月夜野さんは、ここに居るんだ・・・危険だから・・・』


ユイは首を横に振る。


『だからこそ、一人より二人で行った方がいい・・私たちは二人で一人前だから・・・それなら勝機は二倍になる』 


震えながら精一杯答える。

『危険だ・・・相手はアサルトライフルを持っている・・・もしかしたら撃たれる、撃たれた死ぬんだ・・』


ユイに言うが、ユイは聞かなかった。


『もし、ここでやるべき事をやらなければ、私は一生自分を恨むに違いないから・・・だからお願い』

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