空の果て星の息吹
答えを知りたかった・・


シンを呼び出して、聞いてみることにした。


本音で・・・駆け引きなしに・・・



シンは初めは誤魔化そうとしていたが、それではダメだとわかったのか・・・


重い口を開いた。


『ソラ・・・心して聞けるか?』



いつに無い真剣な表情に、恐ろしい想像が浮かぶ・・

『いいよ・・・シン、これを聞かないと先へは進めないから・・・月夜野さんの身体はどうなんだ?』 








長い沈黙があり・・・


ゆっくりと口が開かれる。


『身体は問題ない、打撲箇所はあったけど、ソラと同じで、回復した・・・』




最悪な答えは免れたし、身体が回復したのであれば何で、そんなに暗い表情なのか分からなかった。



『なら、今は退院したのか??』



『いや・・・問題はもっと複雑で・・・』



『記憶を・・・・失ったんだ・・・・急性記憶障害・・・・テロ事件の前後及び、大学のことも・・・中等部時代くらいまでの記憶までしか・・・・・』



愕然とする・・・・



ユイはテロリストからシャトルや愛した学園を体を呈して守った・・・


しかし、本人はそれと引き替えに記憶を失ったのだ・・・・・・


そんなバカな事はあるか?

『記憶が無くてもいい・・・・月夜野さんに合わせてくれ・・・』



学園側から止められていたから、シンは迷ったが、心療内科病棟の個室に居ると教えてくれた。


もし、忘れていたとしても、ユイに会いに行くことにした・・・



ユイにありがとうって言いたかったから・・・





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