ユピテルの神話
ただ、あの地で意識を持った時、記憶の無い心に在った唯一の想い。
「置いていかれた」
という悲しさが在った事。
それに…
僕がここの皆とは違う存在である事、僕しか知らない知識を持っていた事。
説明出来ない、分からない事は沢山ありました。
何故、「この地は丸い」と知っていたのでしょう。
何故、僕は不思議な力が使えるのでしょう。
何故…、
「僕は他の世界から来たのではないか」などと、世界が他にも在るのだと思うのでしょうか。
僕ハ、僕ヲ知ラナイ。
知るのは怖いと思いましたが、僕は自分の目で確かめる事にしました。
「知らなければいけない」そう思ったのです。
広い森の中で、その場所を探すのは大変でした。
目印も無い、ここ数十年訪れてもいなかった場所です。
やっとの思いで「木々の無い広い茶色の大地」を歩いて見つけた時、大地を通して森の主に問い掛けました。
「おじいさん、この場所と貴方の場所を繋げられる様にして下さい。」
森の中は異空間にしましたから、どの場所から森に入っても彼の元へ出ます。
森の中は彼の思いのまま。
彼が望めば空間はねじ曲がり、その場所へ移動出来る様にしたのです。