ユピテルの神話
少なくとも外面的には、
「怪物」ではなかったのです。
それでも僕と彼らは違う。
水鏡に写る僕に、人々と違う部分を探しました。
肌の色は、人々より少しだけ濃い色をしていました。
耳は…先が、尖っている様にも見えました。
そして…
「……羽…根…?」
背中を水溜まりに写すと、
そこには人々には無い「七色の羽根」が生えていたのです。
『…羽根…、僕ラト同ジ、七色ノ羽根ダヨ…』
何故、僕には羽根が生えていたのでしょう…。
やはり僕は、
人間ではなかった。
コレハ、
悪魔ノ羽根ナノカモシレナイ。
ふと、
そんな想いが頭を過りました。
しかし、
その時には、そんな事。
…どうでもいい事でした。
『…ソノ羽根デ飛ベルヨ…』
『飛ンデ、ユラ』
『大地ガ揺レルノヲ、止メテ』
『僕タチノ根ガ切レテシマウ』
僕は花たちに急かされて、
降り注ぐ雨の中、
「悪魔の羽根」を開いたのです。
この羽根は、
『今、飛ぶ為に在るのだ』と、
信じる事しか出来なかったのでしょう。