現実(リアル)-大切な思い出-
「どうしたんだ?」


お爺さんと呼ぶに相応しい男性が、こちらに近付いて来た。

実際に顔を合わせるのは初めてだが、メディアを通して何度か目にしている。

両親がペンダントを渡すように言った理由が、何となく判った。


「あ、お爺ちゃん!あのね、お姉ちゃんがこれくれたの!!」


「おー良かったな」

男性は、ニコニコと女の子の頭を撫でた。

「ちゃんとお礼は言ったのか?」


「言ったよぉ」


「そうか、偉いなぁ」

そう言って、男性は私に微笑んだ。

「ありがとう。孫が我侭を言ったみたいですまなかったね。大切な物ではなかったかな?」
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