〜花魁〜


『えっ、何?』


「何か…今日、変じゃない?悩みでもあるんか?」



俺が変なのなんて、今に始まった事じゃない。

大袈裟に言えば、きっと生まれた時からやと思う―。



「光?」


ふと、蓮さんの方を見ると…
いつもみたくヘラヘラした顔と違って真顔。

だから、蓮さんには言っても良いかもって気分になった。



『実は…空と逢うんです。』


そう言うと、最初は目を見開いてビックリした表情を浮かべたけど、

次第に、蓮さんの顔が優しくなって行く―。



「そっかそっか。行って来い!!後悔すんなよ。」



後悔すんなよ。って言葉を聞いて
やっぱり、蓮さんは気付いてたんやって
改めて実感させられた。



『いつから気付いてました?』


俺の気持ちに――。



「だいぶ前。お前、なかなか認めなかったけどさっ!!バレバレだっつーの!!」



俺って、顔に出やすいタイプなんかなー?

とか、呑気な事を思いながら
目の前に置かれたグラス達を洗う。




『ほんまは―…』


「ん?」




.
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