〜花魁〜
『ほんまは、認めたくなかったんです。空の事…。やけど、やっぱ自分の気持ちには嘘つけませんね〜。ほんまネチっこくて嫌んなる』
「ネチっこさなら俺も負けてねえぞ〜!!なぁ、来海…?」
そう言って、店の隅っこに置かれた古時計を見つめる蓮さん―…。
「俺にだって、認めたくない事もある。やけどさ〜いつまでも目背けてる訳に行かねーだろ?お前も俺も、いい年やし?」
最後の一言がいらないと思うのは
気のせいかな?
『年は関係ないと思いますが?それに、まだ20代なんで。俺!!』
まぁ、今年で27才やけど――。
「それは、俺に対する嫌味かな?」
『他に何かありますか?』
「お前、サラッとムカつくこと言うなや〜!!」
『はいはい。そんな事より、胃が痛い…』
「へぇ〜、お前でも緊張したりするんや!!」
楽しそうに言う蓮さんが、鬼に見える!!
てか…この人、俺の事なんだと思ってるんや!?
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