〜花魁〜
言いにくそうに俯いて、言葉を繋げる
「空が戻って行った時…、あたしは光が好きなんや!!って、宣言するもんやから…正直、複雑だったわ…。」
それだけ言うと「お休み」って、部屋を出て行った。
『ズルいね、空は。…俺が先に言いたかったのに。』
再び1人になった空間で考えるのは、空の事だけ
海の結婚式の時…変な意地を張らんと、逢えば良かった―…。
逃げてばっかいないで、ちゃんと向き合うべきやったんや。
『あっ、そー言えば……』
Gパンのポケットに手を入れて、空のカバンから抜き取ってきた
“手紙”を引っ張り出した。
ヨレヨレでシワの出来た薄っぺらい封筒の中には
6年前の、空の気持ちが書かれている――。
ペリッと、シールの剥がれる音がして
ゆっくり中を覗くと…
無地のシンプルな一枚の便箋に、ぎっしりと文字が書いてある。
例え、今の気持ちじゃなくても…
昔の気持ちでも…
空の気持ちには変わりないんや!って
そう思いながら
一度止まった手を、再び動かせた。
『勝手に…読むからな…。』
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