〜花魁〜


自分の母親と
自分の好きな女の話をする…

それも、相手はオカンからしたら
娘な訳で…

正直、不思議な気持ちで一杯。




――やけど

もう、隠さんでいいんやって…

そう思ったら、涙が出てきた。





賛成もしなければ、否定もしない

ただ…黙って、泣きながら頷くだけだったオカンが

「空?良かったね。」と、だけ言った。



『ヤダ…なぁ…』




“後悔”



誰の理解も、共感もいらないって思って来た――。

そんなモノより、見て見ぬフリをしてて欲しいと願った。



一方的な想いは、独りよがりとして形に残り…

最終的に、空の気持ちを知る術はなくなってもうたんや……。






「光は、空の分も生きるんやで…?やから、こんなモノ持ち出して変なこと考えたらアカン。」



そう言って、後ろに隠していた包丁を
キッチンに戻しに行ったオカン――。



「それから…。」




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