〜花魁〜
「もうすぐ、8カ月だって!!」
『うせ…やん…。ホンマに?!』
「なぁ、光?お前達が何で別れたのか知らねえけど…このままで良いのか…?」
散々、花に酷い事をして来た。
花の向こうに空を見て…
繋いだ手も、重ねた唇や身体も…
全て、花の向こう側に見える空に重ねて来たんだ―…。
――だけど、
空のいない間…いつも、隣で俺を支えてくれていた花…
これは、紛れもない事実。
それなのに、そんな花を上手に想ってやれなくて
酷い事ばっかりして来た―…。
“ありがとう”
最後に、そう言った花の顔が頭に浮かんで…
俺は…なんてサイテーな事をしたんだろ?って
ここに来て、ようやく気付いたなんて―…。
『今更…会う資格なんてねえよ…。俺、酷い事し過ぎた…。』
「お前さ…ホンマに頭わりぃーんだな。資格とか、そんなもん関係ないやろ?お前は逃げてるだけや。」
『逃げでも何でもいい。』
俺は―…
家族も、友達も、知ってる人の全てを忘れて
ひっそりと、邪魔されずに…
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