〜花魁〜


「そないに怒らんでもいいがなっ!!」


「大和が2人目出来たって言ったやろ?んで、瑞希と2人で病院行ったの!!そこ…何科か分かるやろ?」


『えっと…産婦人科?で?』


「で?って…。お前…頭悪すぎ!!産婦人科で、花ちゃんに会ったんやて!!これで、言って意味分からなかったら、お前ホンマもんのアホやで!!」





えっと――…

産婦人科に花がいたって事やろ?



ん…?

んん――…?




『誰かの、お見舞いに来てたんか?』



「俺…ホンマに光のこと殴りたい。」

「俺も。」



今にも飛びかかって来そうな2人を目の前にしても、未だに話が掴めない俺は、ホンマに鈍感なのかも…。




『ちょーっ、待て!!落ち着けって!!』


「父親が、こんなに鈍感男で子供も苦労するな〜。」


『だから、鈍か……ん…?』



えっ…?

えぇ―…?

こ、ども……?



『父お…や…?まさか―……』


「やっと気付いたみたいやな♪その、まさかやで。」



そう言って、再びニヤニヤしだす2人と裏腹に

ショート寸前の、俺の脳内――。




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