〜花魁〜


空が好き。

血の繋がった空が好き。

他人じゃなくて、実姉の空が好き。



俺の命が続いて行く限り…

生涯を終える…その瞬間まで、

空の事だけを想いたい。



――きっと、空だけを想うだろう。









だけど……







「空を盾に逃げんな!!それじゃ、空が可哀相やろが?!お前、空が好きなんやろ?それなら、空の分も頑張れや!!もう、空に辛い思い…させんなよ!!」



そう言って、目から大粒の涙を零す大和は…誰よりも、俺と空の理解者なんや…。












こんな俺を見て…

死んでしまった自分自身を憎むだろう…。



ウジウジした俺を見て…

ひっ叩いて怒れないもどかしさに

腹が立つだろう…。



そして…

届かない自分の声に、涙を流しながら

俺の幸せを願うだろう…。




――そう言う女なんや…

  空は。――






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