さよならの十秒前

紗枝

西野に出くわした、次の日。

昼過ぎに紗枝から電話が来た。

「もしもーし、紗枝だよ」

いつものように、底抜けに明るい紗枝の声だ。

「うん。島井だよ」

「わかってるよぉ。ね、今日暇?」

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