さよならの十秒前
「…別に、奈緒が死んだから、ってわけじゃないよ?」

そう言って、紗枝は少し微笑んだ。

「前から考えてたんだ。誰かの命を、ただ黙って見ているんじゃなくて、救える人になりたいって」

「…そっか」

「そのためには、今よりもっと勉強しなきゃいけないし…大学のことも考えて、もっといい環境に行きたいんだ」

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