さよならの十秒前
「今時の中学生なんて、ませたもんだよなぁー」

「え…彼女?」

「知らないのか?」

北村先生はびっくりしたようだった。

正直に言って、私は友達が多いほうではない。

一人でいるのが苦しいとも思わないから、そうしているだけ。

たまに紗枝みたいに、誰とでも仲の良い子が声を掛けてくれるくらい。

基本的にはそういう情報に、疎い。

< 50 / 202 >

この作品をシェア

pagetop