さよならの十秒前
何にせよ、西野と坂井奈緒はつながった。

もし、西野が初恋の人だったとしたら。

いや、そうじゃなかったとしても。

西野は何かを、隠しているはずだ。

すると先生が、名簿の西野を指差して、言った。

「こいつさぁ、中一のくせに彼女作りやがって」

「え?」

私は弾かれるように顔を上げた。

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