さよならの十秒前
「純愛もの、ねぇ。不治の病の少女と、それを支える少年…」

「…僕はこういうの、嫌いだ」

吐き捨てるように西野が言うので、あらすじを読み上げるのは止めた。

私はちょっと興味あるけどな。

そう思いながら、視線を西野に移した。

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