さよならの十秒前
「よく会うね。夏休みなのに」

「…あぁ、そうだな」

西野は明らかに帰りたそうなオーラを発している。

今捕まえなければ、もう会えないかもしれない。

「ね、ちょっとお茶しようよ」

「お茶?」

西野は目を丸くした。

「ペットボトルなら奢るから」

そう言って私は、彼の腕を引っ張り、公園に連れ込んだ。

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