何も言わないで
突然、黙っていた男の人が私に話しかけてきた。
「君、ココの生徒?」透き通るような優しい瞳、響くような綺麗な声、艶やかなショートの黒髪、ほんのり焼けた肌、何故か似合うグレーのスーツ。
「…はぃ…」
私は思わず返事が遅れてしまった。
(綺麗な人…)
「そっか…余りにも綺麗だから桜の精かと思ったょ」
って彼は笑った。
「俺は大輔、ココの教師だょ」

「ぇ??」
そして私は、笑っている〃大輔〃と言う人をみた…
「若いですね…」
マジマジとみながら私は呟いた…。
「だろぉっ!?これでも今日から教師なわけょっ!笑っちゃぅだろ!?」
自慢気に大輔は笑った。
「で、君は?」
風で長い黒髪が靡く…
「私は…恵藤 美桜羅…みおって言うの!」
私は笑顔で言った。

「俺は 一條 大輔、だぃちゃん☆って言われてんだょ♪まっ!今日からよろしくなっ!桜ちゃん♪♪」

ぁ…

私の彼に対するイメージが一気に崩れ落ちた…
『《アナタ本当に教師ですか!??》』

そんなこんなで、私はこの人とこの先、運命を帰る程の大恋愛をすることなどこのときの私には考えもつかなかった。

―あの時、不思議な君と出会った。『大輔』アナタの方がよっぽど綺麗だょ…―
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