Cherish
「裕太は彼女のどこがすき?なんで結婚したいって思うの?」
聞きたくないのに私の口から次々と質問の言葉がでてくる。
「全部」
「即答かよ(笑)」
「まあ強いて言うなら…弱いところ。アイツのことまじで守りたいって思うんだ。アイツ弱いから俺がいないとダメだしな(笑)」
そう言って笑う裕太の笑顔は残酷だった。
私だって裕太がいないとダメだよ…
裕太は弱い私なら愛してくれた?
そんなことを考えていたら、裕太が驚いた顔をして私を見てきた。
「なっ…、」
「どうしたの?」
不思議に思って聞いてみた。
「お前……何で泣いてんだよ」
目をパチパチさせながら私を見てくる裕太。
「えっ…、泣いてる…?」
私は自分の頬を触って初めて、
自分が泣いていることに気が付いた。
「何かあった?お前最近様子おかしいから心配だったんだ…」
「何でもない、大丈夫だよ」
私は裕太を見るのが辛くなって、強く強く目を閉じた。
そしてそれと同時に一筋の涙が静かに頬を伝う。
裕太…お願い私の気持ちに気付いて…
やっぱり…お願い、気づかないで。
‐END‐