臆病なサイモン









「大丈夫?」


顔を赤くしてる俺をよそに、ダンゴは女の子ぽく、クールにしれっとしてる。

その温度差が、尚更、俺を恥ずかしくさせたりして、なんかもう立ち直れない。


「ごめん、」

緩くなった鼻をぐすっと鳴らして頭を下げたら、繋いだまんまの手をそっと離された。

遠くなる温もりと同時に、ダンゴまで遠くなったような錯覚。


…なんか。

さみしいかも。

って、思った。


ばか正直過ぎてもう、恥ずかしさに倒れる、俺。

今まで、他人に触られることほど恐ろしいことはない、って思ってたのに。


俺も例に漏れず、現金な人間だったんだ。


な、ブラザー。



思わず縋るようにダンゴを見たら、ちょっとだけ目尻を下げて笑ってた。

なんかまた涙腺が緩みそうになって、慌てて下を向く。

どこまでもカッコつかない。




「…よしよし」


そんな俺を慰めるように、ダンゴはそう口にした。

ばかにしてるわけでもないし、からかってるわけでもない。

風で撫でられるような軽い重みが頭に掛かって、控え目に差し込まれた指が、腫れた目尻も労るように撫でていく。


まさかの撫で撫でプレイ。







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