臆病なサイモン









ダンゴとのこっそりトモダチズムが暴露されたことで、そういう女子だけじゃなく、クラスメイトやダチンコ達まで俺達をそういう目で見るようになったワケ。

雨降って地固まる、なんて嘘だ。

固まる前にぬかるみができるから。


あ、俺、今なんかアタマよさそうなこと言った。

言ったよな、ブラザー!







「さながら姫をお守りするナイトってやつ?サイモン、地でパツキンだしさぁ、意外とイケるかもよ」


お前はロープレし過ぎ。

どこにイクんだよ。




ガタンッ。


そんなこんなで騒いでたら、隣の席で帰り支度をしてたダンゴが立ち上がった。

俺にはアリのように人が群がるのに対して、ダンゴにはそろそろと話を聞きにくる女子がちまりと群がっただけ。

だけとダンゴのキッツイ一言に返り討ちにされて、それからは誰も関わろうとしない。



(…例えるなら冷たい葛餅)

勘違い爆発してても気にしないあたりが、やっぱタフ。




「あれ!段さんお帰りですか!?」

そんなダンゴを倒そうと勇者が現れた。

勇気あるダチンコは、ニコニコしながら俺とダンゴを見比べる。


なに期待してんだ。









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