恋する笑顔【短編】
「…ところでさ、今日……………え…?」
突然、松永の表情が曇った。
なんだ?そう思っていると、松永の手が…
震えているのが目に入った。
泣いてるのか?
そう思って顔を覗いてみたけど、悲しそうな表情をしていて、泣いてはいなかった。
でもその表情が切なそうで苦しそうで……。
俺は“抱きしめたい”衝動を必死に押さえ込んだ。
「……うん、分かってるよ………うん、じゃ、ね」
パタン
携帯を閉じる音が空虚な空間にいやに響いた。
電話終わったんだ。
そう思って話し掛けようとしたとき、松永がくるりとこっちを向いた。