恋する笑顔【短編】
それから授業をサボってそのまま家に帰った。
一人暮らしのアパートに着くなり、ベッドに寝転がった。
今は、何も考えず眠ってしまいたい気分だ。
♪~♪~
うとうとと眠りにつこうとした時、制服の尻ポケットに入れていた携帯がけたたましく鳴り響いた。
「くっそ、誰だよ」
携帯を開くと『新着メール3件』と表示されている。
メールは全て女から。
“何で先帰ったの?約束してたじゃん!”
あー、今日約束してた女か…。めんどくせぇやつ。
“コウタ今日暇ぁ?アタシんちで…しない?”
しねえよブス。(顔覚えてないけど)
“コウタ、マリやミカコともエッチしたって本当?浮気してたの?ひどいよ…。うち、信じてたのに…”
浮気も何も付き合ってねえよ。一度セックスしただけで勘違いしてんなよ。うぜえ。
携帯の電源を落として、放り投げた。
くだんね。
俺の周りの女って、こんなくだらねぇ奴らだったんだ。
そう思うのは松永サナを知ってしまったからか?
本気の恋を…知ってしまったから?