恋する笑顔【短編】



それからアパートに着いても、何もする気になれなくて。



食欲も沸かないし、ちゅーか、結局コーラ買ってないし…。



頭に浮かぶのはやっぱりあの光景。



だけどやっぱり



こんな苦しくてもやっぱり



松永の笑顔がたまらなく愛しく感じてしまう。









「―あの男に…なれたらいいのに……」






ポツリと呟いた情けない本音は



空虚な空間に飲み込まれて消えた。





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