メモリー
五分ほどするとゆっくり病室のドアが開いた



コハク君が戻ってきたのかと思ったけどそこに立っていたのは…




「ハル…母さんのことも忘れてるの…?」



深刻そうな顔で聞いてくる…




お母さん…なのかな…



「おいっ…そういう発言をしたらダメだとさっき言われたばかりだろう!」




そう言っているのは…お父さんなの…?




「ごめん…なさい…。」



思い出せない自分に苛立ちを覚えた



「…ハル…。母さん何もできなくてごめんね…。」



そう言ってぼろぼろ涙をこぼす




まただ……また泣かせてしまった…



私のせいで…傷つくんだ…



全部…私の記憶を取り戻せないせいなんだ…
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