リベンジコレクション
背中から腰にかけての曲線を舐めるように見つめようとしたところで、ぱたんとドアが閉められた。

あああもったいない!

「おっと悪い、ここに女を入れたことなかったから、確認もなく開けたけど……見たかったのか?」

 ガン見していた私に気づいたのだろう、ソウがおかしそうに聞いてくる。

私はそこでようやく恥じらう女子を演じてみたが、時すでに遅く、ソウの中で私は痴女と認識されてしまったようだ。

「これから好きなだけ見ればいい」

 笑いながら頭にぽんと手を置かれ、私は俯くしかない。

しかし、これから好きなだけ見ればいいとは一体どういうことなのか。

まさかこの部屋に大量の男が押し寄せてくるのだろうか?

先ほど感じた嫌な予感が蘇る。

 慌ててソウを見上げたところで、閉じられていたドアが向こう側から開かれた。

顔を出したのは、眼鏡をかけた美青年だ。

「店長、お疲れ様です。また変なものを拾ってきましたね?」

 先ほど見事な裸体をさらしていた美青年が、ゴミを見るかのような表情で私を見下ろす。

私の食い入るような視線に彼も気づいていたのだろう。

前髪はかき上げられ、端正な美貌が露わになっていた。

服装はシャツにジャケットを羽織ったカジュアルながらも上品なスタイルでまとめている。

「おつかれ田岡。新しいバイトだよ」

「は、あ、え!?」

 バイトですって!?

聞いてませんけど!

そんな話、ぜんっぜん聞いてませんけど!!

唖然と口を開く私に、ソウはにっこりと笑った。
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