君に許しのキスを
洋平は悔しそうに唇を噛み、そのまま黙り込んだ。

妃奈は顔を伏せたまま、小さく震えている。


俺は、妃奈の震える手をとることしか出来なかった。
それすら、正しい行動だったのかわからない。



重苦しい沈黙の中、ふと視線を上げた。
その時、全身の血の気が引いていく音を聞いた気がした。




「沓宮…。」
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