君に許しのキスを
第23章―13歳―

―side妃奈

凜の顔からは表情が、何一つ感じられなかった。
ただゆっくりと瞬きを繰り返すだけの人形のように、
壁にもたれ掛かって、あたしたちをみていた。



沈黙が漂う中、意を決して口を開いた。

「ごめんなさい、凜。」

そう言って、床に手をつけ、
深く、深く、頭を下げた。

さっきの倉嶋さんみたいに。

凜はどんな顔をしているだろう。
誰ひとり口を開かない。

「あたし、一番謝らなきゃいけないことを、まだ話してない。
今、ここで話して良い?」


凜は表情のない顔のまま、
あたしを見つめている。
イエスとも、ノーとも言わずに。


あたしは、ゆっくりと語り出した。

13歳の、あの日。
あたしが犯した罪のことを。
< 214 / 301 >

この作品をシェア

pagetop