*Lover's Re Mode*
「…桜小路君。あ、あの指輪なんだけど…やっぱりアレって桜小路君のなの?」

「ルイ」

「は??」

「ルイって呼べ。俺達付き合ってんだから名前で呼べ」

…このっ

聞けって言うから、人がせっかく意を決して聞いてんのに!!

名前で呼べだと!?
やっぱり付き合う事になってるのか!?

「…ルイ君、あの」

「君を付けんなっ」

「……ルイ」

「聞こえねぇよ。もっと大きな声で言ってみろ」

チッ

暫く名前を連呼したが許しがなかなか戴けない。

私のイライラも募る。

「―…桜小路 ルイ!!」

余りのしつこさにキレた私は、最後にはわざとフルネームで叫んでやった。

「…上等だ」

奴は逆らわれるのがお嫌いらしく、制裁よろしく私の顔を素早く両手で掴み、強引に振り向かせる。

奴の顔は意地悪そうな笑みが浮かんでいた。

青い瞳が細められ、目線を反らそうとする私の瞳を捉えようとする悪魔、ルイ。

目を合わせたら呪われる!!

「ほほほ…日本語がお上手な事で」

「目を見ろや」

どうしても目を合わせたいらしい奴は、これまた素早く強行手段に出る。
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