*Lover's Re Mode*
後頭部に回された奴の右手。

顎を持ち上げ固定する奴の左手。

熱を感じる程に近付いた奴の整った顔。

そして、

鼻頭には歯を立て甘噛みする奴の…口が捉えている。

嫌でも目線が戻ってしまう悲しき現実。

目を閉じても感じる。

鼻頭に感じる生暖かい感触が、羞恥をどんどん煽っていく。

鼻の奥がツーンと痛い。身体中が熱くなってくる。

遊ばれてる。
遊ばれてる。

付き合うとかじゃない。奴は私に服従させる気だ。

奴の玩具として。

生暖かい感触が離れても、目を開けられなかった。

奴の顔がまだ近くにあるのを気配で感じていた。

まだ奴の右手左手が後頭部と顎を掴んでいて、目を合わせるまでは離さないつもりらしい。

だからといって、いつまでも授業をさぼる訳にはいかない。

さっさと真相を聞き出して、誤解を解かないといけない。

覚悟を決めて目を開けると、やっぱり奴の顔が目の前にあって、妖艶な青い瞳が合わさられる。

心拍数が異様に上がってる気がした。
固定された瞳が私を動けなくする。

奴は私から目線を外さない。

「…ルイ、あの指輪…」

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