【短編 体の中の門番】
仕事
俺は門番。


人の中にいる門番。


誰でも必ず一人は門番がいるんだぜ。





「あ〜、この時間は暇なんだよなぁ。」


門番は横になりながら愚痴をこぼしていた。


「俺のご主人は間食をしない人だからな。まあ仕事があんまりなくて楽といえば楽だけどな。」


門番。


彼の仕事は仕分け。


主に食物と飲み物が気管に入らないように、気管にフタをするのが仕事だ。


この仕事、結構気を使うらしい。

なんせ気管にフタをしっぱなしだと主人は息ができなくなってしまう。


だから飲み物が入ってきた時は難しい。

飲み物が通過する一瞬だけフタを閉めないといけない。
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