夏恋つづり
「あの…」



そこまで言うと、言葉が出なくなった。



「莎矢?」



言葉が止まった私に絋は声をかける。



「あ………ごめんね。まだ決まってないんだ…。」



口から出たのは嘘だった。


「夏祭りは出れそう?」




「うん……多分…。」



私は嘘を重ねた。



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