先生、私が変えてあげる♪
「うーん・・・バナナ・・・」
「篠川さん?どうかされました?」
声をかけてきたのは、隣のクラスの担任の美原先生だった。
俺と同い歳で、名前のどうり、美人な新米先生だった。
「いやぁ~・・・バナナを持って走っているガキを見たら・・・どう思います?」
「えっ?あー・・・そうですねぇ・・・『サル』?」
「ブハッ!」
「え?え?」
予想外の答えに吹き出してしまった・・・・・。
美原先生は首をかしげでおどおどしていた。
「いや、すいません。面白くて・・・・・」
「何がですか?」
「いえ、何もないですよ」
「・・・・そうですか?」
すこし疑問があるようだったが、美原先生は、そのまま自分の机に戻っていった。
「今は・・・11時か・・・そろそろHRかな」
そう言い残し、俺はイスから立ち上がった。
ずりずりと、サイズのあわないジャージに音をたてながら。