先生、私が変えてあげる♪




「うーん・・・バナナ・・・」




「篠川さん?どうかされました?」




声をかけてきたのは、隣のクラスの担任の美原先生だった。



俺と同い歳で、名前のどうり、美人な新米先生だった。




「いやぁ~・・・バナナを持って走っているガキを見たら・・・どう思います?」



「えっ?あー・・・そうですねぇ・・・『サル』?」



「ブハッ!」



「え?え?」




予想外の答えに吹き出してしまった・・・・・。



美原先生は首をかしげでおどおどしていた。




「いや、すいません。面白くて・・・・・」



「何がですか?」



「いえ、何もないですよ」



「・・・・そうですか?」



すこし疑問があるようだったが、美原先生は、そのまま自分の机に戻っていった。




「今は・・・11時か・・・そろそろHRかな」




そう言い残し、俺はイスから立ち上がった。



ずりずりと、サイズのあわないジャージに音をたてながら。

< 36 / 655 >

この作品をシェア

pagetop